最後にピアノ上達のために②
●電子ピアノで練習は可能か?
ピアノと同じような鍵盤を持った楽器は数多くあります。
電子ピアノ・電子オルガン・電子キーボード・シンセサイザー・・・等々。
これらの楽器はピアノと比べると小型で安価ですし、様々な機能がついていて、なかなか面白いものです。
その中で、電子ピアノというものがあります。これは、ピアノとよく似た音が出せる楽器です。
キータッチも本物のピアノに近くなるように作られています。
小型でスペースもとらず、ピアノと比べると価格帯も低めになっています。
すると、電子ピアノを買ってそれで練習をしてもいいじゃないか・・・とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、それは間違いです。電子ピアノの開発者の方も大変な努力をされて製品をつくられているのだと思いますが、
音もキータッチも本物のピアノにはとても及ぶものではありません。電子ピアノはピアノの代わりにはなりません。
この点につきましてはピアノと電子ピアノをご覧下さい。
●ピアノと電子ピアノ
ピアノと電子ピアノを比較した時に何が違うのでしょうか。
それは、長く練習を続けた時に大きな差がでます。
これまでに指導した生徒さんの演奏を聴くと、ピアノで練習している子と電子ピアノで練習している子では大きく違っていました。それがわかるのが、少し環境を変えた広いホールです。
自宅にピアノが置いてある子は、ホールで演奏した時に音がきれいで遠くまで飛びます。
一方、ピアノで練習してこなかった子の演奏は、舞台近くでこじんまりとまとまって聴こえてしまいます。
この後で少し触れる消音機能で練習した子にもそれはいえると思います。
これまでに幼年の生徒さんを指導して感じたことは、耳の発達が著しい幼い年齢の時に、ピアノで練習するというのはとても重要なことです。遊びの感覚で、自由に弾かせることこそがきれいな音色に結び付く、そんな風に感じております。私の持論でもあります。
そうはいっても費用や置き場所の問題をクリアしたとしても、そもそも、騒音の問題でピアノが置けないという方もいるでしょう。そういった事情がおありの方はどうしてもピアノで練習できない場合は?をご覧ください
●どうしてもピアノで練習できない場合は?
消音機能付きのピアノで練習するとリスクを伴います。消音機能とは外部に音がもれずに自分には聴こえる機能であります。音とは空間で混ざり合うことこそ、自分の音色だと思います。特に大人の生徒さんに多いのですが、指の運動だけで、ピアノ
が上達すると考えるには大きな間違いです。もちろん、指の運動は大切です。(特にツェルニー30・40番)それより自分の音をきいてほしい・・・・仕事がお休みの時には思い切り消音機能を解除して、弾いて頂きたいと思います。消音機能は自分の音ではありません。生身の音色こそ、自分しか出せない音色を磨くことこそ価値が高いといえるのではありませんか?
・最後の最後に
ほんとうに優秀な先生とは(以前ブログでも書きましたが)ビジョンがあり・価値観が多様化する今日の生徒さんに向き合えるそんな先生ではないでしょうか?私はそう考えます。日々そういう先生でありたいなーと思うしだいです。