逆な立場から検証してみたい。「本当に優秀なピアノの先生とは?」私はこう答えるだろう。「どんな価値観の保護者にも対応できる・どんな価値観の子供にも対応できる・どんな価値観の生徒にも対応できる先生が優秀である」と。人間一人一人顔が違うように、ピアノに対する価値観も様々である。ピアノに対し熱心な人もいれば、そうでない人もいる。それらの人と一様に顔を合わせなくてはいけないのがピアノの先生である。中には以前受け持った生徒さんにこのような方がいた。「自分は上手にならなくてもいい。ただ、気分転換にきているだけ」という。音楽に触れることこそがその生徒さんにとっては重要なことであると私は判断した。極少数だがこのような生徒さんもいる。それを的確に見抜けることこそが優秀な先生であり、常にそうありたいと思っている。